染谷将太 にこやかに「切断」と一言 倫理観を揺さぶる衝撃的な治療法 「廃用身」予告

映画スクエア

 2026年5月15日に劇場公開される、久坂部羊のデビュー作である同名小説の映画化作「廃用身」から、本予告が公開された。

 本予告は、にこやかなほほ笑みにはあまりにも不釣り合いな言葉「切断」を、漆原(染谷将太)が口にするシーンから幕を開ける。異人坂クリニック院長・漆原が提唱する「A ケア」は、介護負担の軽減を目的に、老人の“不要な手足”を切り落とすという従来の価値観を揺るがす治療法だった。体の一部をまるで“廃棄物”のように切断された患者たちは、「憑き物が取れたみたいに体も心も軽くなった」「ここだけ若返ったみたい」と、どこか晴れやかな表情を浮かべていく。さらに「A ケア」の書籍化を持ちかける編集者・矢倉(北村有起哉)は、「本当に革命が起こるかもしれません」と期待をにじませるが、ある出来事をきっかけに状況は一変する。

 「なんか恐ろしい気がしてしまって」と不安を口にする看護師、「こんな姿になるなんて、思ってなかった」と声を震わせて訴える患者家族。何かを強く予感させる断片的なカットが、不穏な踏切の音とともに畳みかけられる。やがて、遮断機の前でぼうぜんと立ち尽くす漆原の虚ろな表情で、映像は唐突に途切れる。

 あわせて、不穏な気配が漂う場面写真も公開された。

 「廃用身」は、超高齢社会に突入した今の日本社会と地続きのテーマをはらむヒューマンサスペンス。ある町のデイケアに通うお年寄りの間で、漆原院長(染谷将太)が考案した“画期的な”治療がひそかに広まっている。究極にコスパの良い介護を目指すため、廃用身(麻痺などにより、回復見込みがない手足のこと)の切断を行った結果、「身体も心も軽くなった」、「厳しい性格が柔らかくなった」などと予想外の“好ましい副作用”が現れたという。噂を聞きつけた編集者の矢倉は、老齢期医療に革命を起こす可能性を感じ取り、漆原に本の出版を持ちかける。しかしやがて、デイケアに関するとある内部告発が週刊誌に流出。さらに、患者宅で起きた衝撃の事件をきっかけに、すべてが暗転していく。

 主演は染谷将太。医療の限界を超えたいと力強く訴え、理想を追い求めるあまり、合理性と狂気の危うい狭間へと踏み込んでいく主人公の医師・漆原糾を怪演する。監督と脚本を務めるのは𠮷田光希。東京造形大学在学中より諏訪敦彦に師事し、塚本晋也作品での現場経験を経て、自主製作映画「症例X」で第30回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)の審査員特別賞を受賞。さらに第61回ロカルノ国際映画祭新鋭監督コンペティション部門の入選を果たした。そんな𠮷田監督が、学生時代に原作と出会って衝撃を受けて以来20年にわたり温め続けてきた、渾身の企画を映画化した。

【作品情報】
映画『廃用身』 
2026年5月15 日(金)より TOHO シネマズ 日比谷ほか全国公開
配給:アークエンタテインメント
©2025 N.R.E.

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